【最初に葛巻町役場を訪問し、副町長と担当の課長さんから説明を受ける】
今回の視察の目的は
5月1日の地元紙の報道で、酪農家が使う牛用飼料牧草に含まれる放射性物質の基準値を(1`あたり100ベクレル)を同50ベクレルに引き下げるとの決定した。
とのことから酪農を主産業にしている葛巻町で何が問題となっているかを探るため。
まず驚いたのは報道であった50ベクレルに引き下げた県の決定が、まだ本決定ではないということ。
生乳を加工した場合に国の食品の基準値100ベクレルを越えないための防衛線である目標値であることは間違いないようだが、50ベクレル以下にするための具体的施策は全く徹底されていない。(要は100ベクレルに限りなく近い値のグレーゾーンを無くしたいとの意味が強い)
草地を除染するにしても代替飼料の確保が課題となっているが、飼料の確保は何とか可能であるものの業者から足元を見られて輸入牧草も低質のものがかなり出回っている状況であることも判明した。産地を守るために万全を期したい行政側と生産者との微妙な温度差もあるようだ。
【地元農協支所の方、生産者の方々らと意見交換】
県の対応の遅さには毎時感じてはいたが、酪農家への飼料のセシウム濃度測定検査結果の報告も2ヶ月以上も要していたことなど生産者側から見れば不安は募るばかりの状況にある。基準値を引き下げる方針であるならば順次裏づけとなる支援策も同時に施す必要があるにもかかわらず、問題のほとんどを現場任せにしている。
今回の視察の結果は早々にまとめて県に申し入れることを約束し、葛巻町を後にした。