2011年11月23日

立川談志さんにまつわる思ひ出

立川談志さんが亡くなられた。享年75歳。

私は偶然談志さんに会って話をしたことがある。
三井倉庫に入社して三年目の春だったと記憶している。今から25年も前のことだ。

なんと会ったその場所は外国貨物船の船上にて。

私が担当していた「UASC(United Arab Shippinng Co.)」のKクラスの本船で、通常のシュタルケン付ではなく40トンジェミニクレーンタイプだったから船名は「IBN BAJJAH」だと思う。

ibn bajjah.jpg

【ネット検索したら画像がありました 本船「IBN BAJJAH」(感激・・・涙)】


週末を挟んで、乗船したらインド系の英国人のチーフオフィサー(私が関わったC/Oでベスト3に入るナイスガイで、運よく彼とは3回一緒に仕事をした)から「昨日、鎌倉に足を伸ばして遊びに行ったら、談志というエンターテイナーに会った。奴は有名か?」と尋ねられ、「そうだ!」と応えたら「今晩彼を呼んでパーティーをするから、お前も来い。」と誘われた。船上でのパーティーは船長の許可がなくては開かれないので、彼はよほど信頼のおける男だったのだろう。船会社の人間にもスーパーカーゴアテンダントにも誘いがなく、仕事関係者で私だけに誘いがあったのでとても嬉しかった記憶がある。

その晩、作業服ではないスーツ姿で夕方に乗船したら、とんでもないお祭りがすでに始まっていた。
談志氏が10人以上も芸人を引き連れてきて、上へ下への大騒ぎ。貨物船の部屋の広さは限られているので、あちこちの部屋でマジックあり、歌あり、ダンスあり。談志氏はすでにベロンベロンに酔っ払っていてただただ皆と(主に上級仕官は英国人)と一緒になって騒いでいた。私は何しろ芸能人と一緒に酒を飲むなんて機会も初めてなので緊張しながら場を楽しんでいた。

談志氏の名前がでると必ずあの日を思い出す。そういえばいつもは交通に不便な大黒埠頭に停泊するこの船が、市街地に近い山下埠頭に接岸したのも何かの因縁だったのか。


談志師匠も亡くなられてしまい、頻繁には思い出すことはなくなるかもしれないけれど、あの愉快な夕べの船上の秘密パーティーのことは一生忘れられない思い出だ。
posted by 飯沢ただし at 23:55| 岩手 ☔| Comment(0) | Good Old Vessels【懐かしの船】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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