増田知事の時に「環境首都」というキーワードがあった。
次世代エネルギーと森林県岩手の可能性をコンバインさせた環境政策をシンボライズものだ。
スウェーデンのベクショー市と提携し、地域完結型のエネルギーサイクルを目指し、木質バイオマスの普及に力を入れた。県の工業試験場にぺレットストーヴの開発も政策の一部に盛り込んだ。だが、なかなか一般家庭まで普及が行き届かなかったのは最終的にはコストがネックになったからだ。
知事が変わり、今は「環境王国」ということになっているが、首都を王国に看板を変えただけで、具体的な政策はなし。せっかく芽が出た木質バイオマスの熱は急激に冷え込んでいる。
エネルギーに関して大きな意識の変革の期が来た。
安ければ良いといった今までの価値観は大きく転換されたといって良い。
自給可能なエネルギーと最新技術を組み合わせた「新・環境首都」を目指したい。
岩手県にとっては蓄積してきたノウハウを開花させる機会を徹底的に活かす時である。
ここで陸前高田市を想定して考察してみよう。
ベクショー市のようなバイオマスを強力に押し出した自己完結型のエネルギー循環タウン目指すこととしてはどうだろうか。
燃料は木質系を中心にした熱供給や発電も視野に入れる。
スマートグリッドの技術も積極的に取り入れる。
木質バイオマスに関しては隣接の住田町にはチップ生産拠点もあるから物流コストも安価で済む。
最近は「藻」を生産してジェット燃料に活用するという技術もある(地域政党いわての亀卦川議員が提案)ので新機軸の産業として拠点付けをする。
陸前高田は海岸地でありながら気仙杉で有名であり、林産物のネームバリューを未来志向に活かすこともできる。
これらをコンバインさせた森林県いわてを前面に押し出したバイオマスタウンを創る。この拠点づくりと同時に国や県の研究試験施設も併設する。
街を牽引する主要な産業を欲していた陸前高田市。
漁業だけでなく50年先100年先を視野に入れたまちづくりを、いまそこにあるものを活用する。そして科学を応用して開発する。
ネックとなってきたコストは今回の災害で在りようが見直されるのは必至。拠点をつくればエリアが広がり、結果としてコストは下がっていく。
この期に岩手に相応しい「まち」を一つでも多く創ってみたい。
もっとも大事なのは、言うまでもなくリーダーに本気でやるかどうかの意志があるかどうかにかかっている。
2011年05月30日
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