県立病院問題や不正経理問題、知事の発言問題で最終日の本会議まで揺れた定例会であったが、議員にとっては重要な発議案がひっそりと(!)全会一致で可決された。
◎岩手県議会基本条例
◎岩手の水を守り育てる条例
どちらの条例も私が検討委員のメンバーに入って、検討したものだけに条例化されたことは誠に感慨深い。議会基本条例は昨年の6月から、水を守り育てる条例は昨年の9月から作業が始まったので1年以上の月日を費やしたことになる。
基本条例は前回にも書いたが、基本条例の目玉は
1)本会議での一問一答式質問の導入
2)正副議長の選挙前の所信表明を実施
3)反問権の導入
私の所属する政和・社民クラブは一貫して以上の3点は盛り込むべきとの主張を当初から申し入れていたが、まず最初に他の2会派から反対をくらい、これはどうなることかと目の前が真っ暗になったが、県民説明会で「是非とも盛り込むべき」との声が多かったことを重く見て再検討した結果・・・
何とか
1)本会議での一問一答式質問の導入
は可となって、議会改革の体面は保たれた。
しかし、
2)は民主県民会議、自由民主クラブからの同意を得られず。
今回は ×
3)は答弁者が質問者へ内容を確認するもののみ ○
と相成った。
また、「賛否の公表」や「県民との対話集会」をすることも盛り込まれている。
上記のことは画期的なことだ。
議会改革はこれからも不断に行っていくことは必然であるが、議会が自らの宣言とも言える基本条例を満額とは言えなかったが、最低限前進させたことは大きな意味を持つと思う。
問題はこれから先であって、議員が宣言に恥じない中味の濃い議会活動をしていかねばならない。
「岩手の水を守り育てる条例」は実のところ仕上げにかなり難航した。
この条例の要点は第3条に要約される。
第3条 本県の水を守り育てるための取組は、県、市町村、事業者および県民が相互に連携、協力し信頼関係を築きながら、次に掲げる事項を基本理念として進めます。
(1) いわての良質な水は、良好な水環境を保持し、多様な生物の生息空間と生態系を保全することによってもたらされるものであり、人と自然が共生する潤いとやすらぎに満ちた県民生活を維持するうえで欠くことができないため、水環境の保全を図ること。
(2) 限りある水資源は、本県の地域産業、地域社会の持続的な発展や県民生活の向上にとって重要なものであるため、水資源を確保し、有効に利用すること。
(3) 県民の共有財産である水資源は、次代を担う子供たちに引き継がれる必要があるため、次世代を中心として県民の水と親しむ機会を拡充することによって、水を大切にする心を育むこと。
(4) 世界に誇れるいわての水の価値は、各地域における水文化を保存および継承する活動によって高められてきたものであるため、その価値を再認識し、水文化を引き継いでいくこと。
最初は規制系から入って行ったが、既存の条例との袋小路に入ってしまい、最終的には「理念啓発型」の条例に仕上がった。
水は代替の効かないもの、それを水資源豊富な岩手から水を愛しみ、守っていこうという内容である。また、水の有効活用に関して要項を盛り込んだことも、今後の県政施策について示唆を与えるものだと自負をしている。
来年の7月1日から水条例は施行されるが、すでに議員発議で創った「プレジャーボー関連条例」らとともに条例が県政施策に有効に活用されているか注視をしていきたい。
2008年12月18日
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