県立病院の新計画(案)について
来年の2月に成案を目指すこの計画は12月19日までパブリックコメントに出されているが、発表時から各地で大きな反響を呼んだ。
各地とは・・・すでに地域病院から格下げされた有床の診療所を無床とされている診療所の地域のことだ。(九戸・紫波・花泉・大迫・住田)それも来年の4月1日からするというから黙っていられない。
そして沼宮内病院は2年後に一気に二段階格下げで無床診療所となる計画案だ。
各地域から現状維持を願意とする6本の請願が出され、環境福祉常任委員会で「採択」、本会議でも賛成多数で可決となった。
私の所属する政和・社民クラブではこの問題は今議会の最大の課題ととらえ、連日会議を開いて意見の調整を行い、その結果意見の統一が図られて、その方針にそって行動することとした。
@関係自治体や地域住民との意見調整を経て練られたものでなく、政策形成過程に大いに問題あり。
Aましてや、来年4月1日スタートというのは乱暴。これから説明会を開催しても短期間では物理的に不可能である。
B希望創造プランで「地域医療の確保」を4大施策に掲げながら、過疎地域から入院施設を取り上げることは、政策的矛盾である。
この3点を理由に今回の計画案は一時白紙撤回を目指すことを目標にした。
しかし、10日の本会議終了後も知事は、この計画案がベストの案として全く譲る気がなく、各地での説明会を通じて結局は押通すつもりらしい。
驚くべきは10日の定例記者会見での知事の発言である。かつて衆議院議員時代は診療所化も反対の立場だったが、現場を預かる医師から話を聞いて、考え方が180度変わった。できれば先の発言をした5年前に戻りたい。自分が以前に発言したことで改革が遅れてしまった。今回は罪滅ぼしのつもりで計画案は実行したい。・・・・
罪滅ぼし?? そんな感覚でベッドを取り上げられる方はたまったものではない。知事の問題意識の浅はかさが露呈した格好だ。
私は、そもそも赤字垂れ流しを知りながら何が何でも現状維持でという認識ではない。
問題にしているのは、こんな大事な計画をコンセンサスを得ようとするそぶりもしなかった無頓着さに対してだ。
それに医師の不足が県立病院のシステムを崩壊しかねないと当局は言うが、それが無床化にする必要絶対条件ではないはずである。
県病に勤務する医師にもいろいろな意見があり、それを緻密に精査すべきである。
医師不足を補う地域でできること、自治体でできること、住民ができること、整理すべきである。
2008年12月12日
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