
8年間続いた共和党政権に失望したアメリカ国民が民主党の大統領を選んだことは必然的とも言えるが、オバマという47歳の黒人の若者に人種の壁を越えて夢を託したいという気持ちと支持者の行動の集大成がこの結果につながったのではないか。
この選挙の過程で驚いたのは国営放送でもコメントしていたが、若い層の人たちがボランティアで熱心に選挙に関わっていることだ。
海外に軍隊を派遣され若い命が数千人もの規模で失っている重い事実は、政治と生活が直結しているという実感度がわが国とは全く違うのだろう。
オバマ次期大統領は多くの課題を解決していかねばならないが、特に外交問題は、ブッシュの一国至上主義から対話重視外交路線に変化することは歓迎すべきことと思う。、舵取りには相当苦労するだろうがアメリカが強力な軍事力をもって世界の警察と呼ばれる姿から対話でどのように世界のリーダーに変わるのか期待したい。
一方、負けたマケイン候補の敗戦の弁は実に感動的であった。すぐさまオバマ氏に全面的な協力を声明し、観衆のブーイングを制しながらアフリカンアメリカン(黒人)が選ばれたという事実こそがアメリカ国民の判断の公正さと将来のアメリカの未来像に結びつけた話は素晴らしいスピーチであった。軍人らしく潔い弁で心を打った。
今回の大統領選挙戦を見ると、選挙民がこの人に託したいという思いも強かったが、候補者があなたと一緒になってやりましょう、選挙民もこの人と一緒に解決したいという共感力を高めるオバマ陣営のほうが優っていたのではと思う。
そもそも政治の原点は選ぶ人と選ばれる人の信頼関係であって、双方の距離を遠くするのも近くするのも政治家の信念と発信力次第だと改めて感じた次第であります。