
【物流ニッポン 2024年12月17日】
令和7年の予算編成に向けて「103万円の壁」がクローズアップされているが、自民、公明、国民民主の各党は、ガソリン税、軽油引取税の暫定税率分の廃止で一致したとされている。物流ニッポン紙によれば3党の合意文書に廃止の時期は明記されていないが、2026年度の税制改正審議で俎上に載る見通しという。
暫定税率は、都道府県などの道路整備に充てる道路特定財源として、1974年に創設された。その後、道路特定財源は廃止されたが、当分の間接税として存続。軽油引取税に対しては17円10銭が本則分に上乗せされている。
この財源に関連して運輸事業振興助成金という交付金制度がある。
交付金制度は、1976年の税制改正で軽油引取税に暫定税率が導入されたことを受け、1976年に創設。その後も暫定税率に相当する税率の延長に伴い、数字にわたり同制度も延長されてきた。交付総額は1994年度以降はおおむね200憶円で推移。2022年度の交付実績をみると、トラック分は16億円となっている。
この経緯は道路特定財源として軽油に上乗せした分は、道路を作るためですよ。それに、交付金でトラック協会に環境対策の財源を付与しますよ。というカラクリ。要は上乗分を反対できないように巧妙な制度設計をしたということ。
しかし、今や燃料価格激変緩和措置も(石油元売り業者への補填措置)も廃止の方向が決定しており、これだけ燃料が高騰している状況からすればトラック業者は2024年問題への対応と相まって経営は大変厳しくなっていることから3党合意については早期に実行して欲しいというのが本音だろう。
但し、「103万円の壁」の決着次第では私の推察では政治主導で動いているため、行き先がどうなるかは不透明といった印象。
いずれにしても、以前から暫定税率の廃止、石油製品のTax on Tax見直し、納税者にクリアな課税を度々県議会から意見書を上げている立場とすると早期にこの問題については着手を望みたい。