【初夏の東川院 本堂を山門から臨む】
【左が改修前、右が改修後】
「木造観音菩薩坐像」は1180年代の平安末期に制作され、奥州平泉において藤原三代による寺院造営にたずさわった仏師の手によると推察されています。今日まで渋民の方々の庇護の元に世の中の安寧を守り続け、平成30年には国の重要文化財の指定を受けました(一関市ではこの仏像のみが指定されている)。この度文化庁の指導を受けて保存修理を二年をかけて行い、東川院に無事に帰還をされました。
午前には開眼法要が当院で厳粛に行われ、午後には場所を室蓬ホールに移動して、記念式典と記念講演が行われました。
私はご縁があって改修前の仏像も直に拝見しましたが、この度の改修によってより表情が凜とした中にも柔和さも際立ったような印象を受けました。
これからも浄土の世界をひたすら祈った平泉文化の先人の思いをこの仏像は語り続けていくと思います。こうした機会を得た我々も努力を継続していかねばなりません。
本日の行事を完結するまでに東川院の檀家さんをはじめ実行委員の皆様、関係者の皆様に心から敬意を感謝を申し上げます。