代表質問は交渉会派から代表して行う質問者が知事にすべて答弁を求めるものであり、テレビ中継もあるので質問者にとってはとても栄誉なことです。私も二期目にその機会を与えて頂きましたが、張り切って臨んだことは今でも鮮明に憶えております。
「いわて県民クラブ・無所属の会」からは政策審議会長であるハクセル美穂子議員が登壇。
美穂子さんは2年前にも代表質問を行い、2回目になりますが、前回のテレビ録画中継はロシアのウクライナ侵攻により美穂子さんの部分だけ中継がカットになってしまうという珍事に巻き込まれてしまいました。今回は無事に放映されて何よりでした。

【議長席にはタイミングよく私が着座しており、ハクセル美穂子議員を呼名しました】

【演壇が今議会から高低を調整できるようになり、美穂子さんが表情明るく調整すると議場がぱっと和やかな雰囲気に】
さて、質問の中身ですが、美穂子さんの政策課題である子どもの医療費助成についてを中心に行われました。
(1)子どもの医療費助成の拡充について
達増知事は5期目の公約で華々しく「全国トップクラスの子育て支援策スタート」と云い、令和5年8月から県内のどこの市町村でも医療助成費は18歳まで助成されるようになった。
しかし、こどもの医療助成費は市町村ごとに異なる要件であるのが実態で、さらに受益者負担額にも差異があり、一律無料化になっていない。
また、医療助成費の85%が市町村が予算措置して賄っている。県は14%ほどに過ぎない。
知事の公約には「すべての人の希望が叶うように、必要な財源を確保し、市町村の現状把握にも努め、施策のフル稼働と一層の拡充を図る」とされているが、多額の財政出動を要して子どもの医療助成費の達成に苦心している市町村の状況を把握しているはずの知事が医療費助成制度の拡充を見逃すはずがない。なぜ県内統一的な実施を県がリードして行わないのか。
と迫りました。
この背景には18歳まで医療費を無料化にしたと県がトップクラスの子育て支援と交えて喧伝した際に県内首長から反発があったのが事実であり、14%の支出で県は大きなこと何を言うとんじゃということなのです。
それに対して知事は首長からの要望については把握しているとは答弁したものの、肝心な部分では国が一律してやるべきものといつものように責任転嫁して県が主導的に動くことについては有耶無耶にしました。
(2)子どもの医療費及び保育料の無償化について
も同様に切り込み、県と市町村の連携にも関連させて知事のリーダーシップを求めましたが、よほど自身のプライドが傷ついたのか最後はキレ気味になっていました。(情けない・・・)
さらに、少子化対策の財源についても、少子化対策に的を絞った少子化対策県民税の創設を提案しましたが、いつもと変わらぬ慎重な姿勢を崩さずでした。
知事は部局が用意した答弁書から逸脱しないことが自分の仕事と心得ているようで、質問者が一歩踏み込むと、やれ国が一律に、県民の意見を拝聴し、とかで自身がどのように判断しているのかを見せません。16年も経験している知事なら答弁の中で自分の問題意識を示すのが当然と私は思いますが、それさえもしない。これでは知事に対する一問一答の意味が半減してしまいます。
ただ、今日の美穂子さんの質問のやり取りを観た県民は、県のリーダーの実力が分かる人に分かるはずと思います。
トップクラスというならば県民にとって実効性を実感できるやり方に重点を置くべきではないでしょうか。