第12回全国和牛能力共進会(鹿児島全共)に先週末に行ってまいりました。
全共は五年に一度の大会。和牛のオリンピックとも称されており、全共のテーマは和牛改良の方向性を示すもの。前回大会は宮城県で開催され宮城県が大躍進を遂げた大会でした。
今大会で新設された7区は「和牛新時代」の象徴で、和牛のおいしさに関わるとされる脂肪の質を重視した評価。「サシ」一辺倒からオリーブ油などに含まれるオレイン酸の配点を高めた方式を取り入れました(サシの多さとオレイン酸の量を1対1)。
また、正式な出品区分として「高校及び農業大学校」が新設され、農家の高齢化が進む中、担い手の育成につながることが狙いとされています。24頭が出品した中で本県の水沢農業高校が出品した「みずのうれいか(父牛:菊福秀)が見事優等賞3席(3位)に入賞しました。
本県は特別区を含め全9区に全出品し、7出品区で優等賞を受賞(前回大会は5出品区で優等賞)で健闘しました。
しかしながら、花形とされる6区(総合評価群)をはじめ6つの区で鹿児島県が優等賞1席、宮崎県が2つ、大分県が1つと九州勢が上位を独占する結果となり、開催地のアドバンテージはあるものの私のような素人目で見てもその差は歴然としています。今後の課題である飼料価格の高騰を踏まえた肥育期間の短縮や脂肪の量から質への転換をどのように図っていくか、しっかりとした目標を定めた市場に評価される牛づくりが求められます。