刻々と深刻さを増すウクライナ情勢。
まさかロシアが東部地区のみならずウクライナ全土で侵攻作戦を行使するとは予想しませんでした。なぜなら軍事的侵攻を行えばロシアは世界から孤立し、信用まで落としてしまうのは目に見えているからです。
それでも実行に移さねばならないほどロシアは切羽詰まっていたのでしょうか。
それにしてもキエフでは市街地戦も勃発しており、市民への影響がとても心配です。
西側諸国はウクライナへ武器の供出や経済制裁が行っていくでしょうが、プーチン大統領の強硬な意志が見て取れ、ロシアは実利を得ない限り簡単には引き下がらないと思われます。無力感を禁じ得なく歯がゆい思いがつのります。
東西冷戦当時と明らかに違うのは、グローバル経済が確立した中でのこうした動きは世界全体へ経済の影響が出るということ。今までも局地での紛争はありましたが、ここまで大胆で挑戦的なものはありませんでした。
今までは燃料も比較的安定的に供給されていましたが、今回の件によって経済の安全弁も破壊され、今後予想もつかない事態になるかもしれません。
ロシアは経済的に孤立を深めるでしょうが、大きく経済的に台頭した中共と手を組むことによって抜け道は一定程度確保されます。アメリカは近年中共の脅威に重きを置いてきただけに、安全対策の転換が求められ、さらに脅威が増大した形になりました。
ウクライナの現状を見ると一夜にして普段の生活から恐怖へ一転する様は、とても現実とは思えませんが、我が国も決して傍観者ではいられません。この機に乗じて北朝鮮がミサイルを発射するなど極東地域にも緊迫感が漂い始めました。
日米同盟を基軸にした安全保障の点検、今回のような大国の横暴に対する国際ルールの確立などこの機にしっかりと議論を始めることが必要です。