コロナ禍の中で開催された北京冬季五輪が何とか無事に閉幕した。心配されたウクライナ情勢も大会期間中は何も起こらなかった。
しかしながら、この大会はロシアのスケート選手の薬物問題、ジャンプのスーツ違反問題など異例なことが起こった大会と印象付けられてしまった感がある。
その中で日本選手の頑張りには心から感謝を捧げたい。本県の出身選手も本当によく頑張った。拍手を送りたい。
そして、最終日まで夢をつないでくれたカーリング女子チーム、ロコ・ソラーレにはコロナ禍で沈んでいる国民に笑顔と勇気を与えてくれた。
銀メダル獲得のあっぱれは当然のこととして、チーム全体でベストを尽くすという姿勢がとても感銘を受けた。今回は特に真剣にカーリング競技を観戦したが、時間によって変化する氷のコンディションの読みや選手の心理状態によって情勢は刻々と変化する。その対応は、当初の狙いとは違ってもセカンドベストに切り替えるタイミングなど、それらの判断は日々の練習や試合経験、チームワークの総合力が必要となるのだ。
ロコ・ソラーレの試合中でも笑顔を絶やさず、大きな声で励まし合う光景は他国のチームからも好感を得ているようだ。
メンバーの5人中3人が常呂町の出身者。スキップの藤沢さんは北見市、リザーブの石崎さんは旭川市出身でオール道産子のチーム。とりわけ常呂町は町をあげてカーリング競技に力を入れており、町内には国際規格の日本初の屋内リンクもある。こうしたたゆまぬ継続した人材育成がオリンピックという大舞台で活躍できたことは本当に誇らしい。四年前の平昌五輪の銅メダル獲得時からふるさと納税額がグンと上がったとも聞き、これからのまちづくりに関してトップモデルケースだろう。チーム名のロコ・ソラーレは常呂っ子のロコ、ソラーレは太陽という意味らしい。このネーミングもすばらしい。
八幡平市もジャンプや複合選手でメダリストを輩出しており、これからも期待したいし、民間からも惜しみなく選手の育成に力を貸す仕組みづくりスポンサーという形以外にも研究する必要がありそうだ。
メダルを期待されて獲得に至らずに終わった競技もあったが、日本国民は温かくそれまでの選手の努力に敬意を払うべきだと思う。帰国したら素直に健闘を称えたい。失敗した映像はもう繰り返さなくてもいい。