今年の千秋楽を明日に控えた投稿は、しつこいようですが県議会議員の選挙区割問題です。
私は、何よりも優先度が高いのは一人区の解消であると今回は覚悟を決めて協議に臨んでいます。我が会派のみが主張した総定数減の議論を譲歩したのも今回こそ一人区の解消を解決するためです。
選挙区の改編をめぐって私はある歴史事実を思い出しました。
今から43年前、昭和53年時の議論です。
その当時は県議会選挙に関する問題は、県が条例案を提案するという形式でした。よって人口の増減によって機械的に整理されていました。翌年昭和54年の統一地方選挙を目前にして県が条例案を提出したものです。その内容は二戸第一選挙区(一戸町、安代町、浄法寺町)の定数が2から1に、盛岡選挙区が定数7から8になるという議案で、減少する対象議員2名とも自民党会派に属していたことから党内の意見集約が難航。そして当該町にある自民党支部の離党問題にまで問題がエスカレートするという事態にまで発展したのでした。最終的には付帯決議を条件に自民県連は賛成を決め、本会議でも全員賛成という結果になりました(当該2名の議員は離席という情報を私はある資料で見たことがあるが、正式には未確認)。
県が条例を提出することから常任委員会において県への質疑が交わされており、その議事録を見ると興味深い発言が出ていました。
🔶 金野 茂 委員(東磐井選挙区)
今回の提案はいつもそうであるが、選挙が近くなって提案するとことは問題があるのではないか。もっと早く提案できないものか。
原則的に1人区というものは、単独1人区というものは市町村の長兼県会議員という感じがする。全体的視野に立って県政に参画するという面からは不均衡があるのではないか。郡市という定義があるが、3全総の中にもある定住圏、生活圏というように改正すべきではないか。今回は法という規制があってどうにもならなかったと思うが将来に向かって1人区というものは解消すべきではないか。国に向かって是正を働きかけるべきではないか。当局はどのように考えているか。
刮目すべきは下線部分で、金野茂議員と私の問題意識は同じです。
ちなみに金野茂議員は日本社会党に所属し、千厩町出身。当時3期目でした。金野議員が言及している郡市という定義は現在は外されています。よって金野議員が発言しているように生活圏を軸に決めることは理にかなっています。
以後、地方自治法が改正され、全国的に県議会選挙に関わる問題は県提案ではなく議会自らが提案する形式になりました。ゆえに県議会の自治能力、自律作用がより問われるようになったのです。
一人区の解消についてはこのように歴史を紐解いて問題意識を持っていたことが分かります。しかし、これまでの間、明確な答えを出すことはできませんでした。
私は、今回この機を逃したらまた10年、20年と解決の道をふさいでしまう危機感を持っています。