2021年08月19日

今だからこそ躍進の基礎を

「売れる農業」県内一丸 宮崎や鹿児島、ブランド確立
【日本経済新聞電子版 2021年8月13日 21:00 (2021年8月14日 5:55更新) 】

基幹産業として地域を支えてきた農業の競争力に大きな差が生じている。過去5年間で全国1741市区町村のうち6割の974が産出額を伸ばした一方、4割は減少した。躍進が目立つ九州勢の取り組みを探ると、地域ブランドを活用した「売れる農業」の姿が見えてくる。

農林水産省が3月に公表した2019年の農業総産出額は8兆8938億円。都道府県別の産出額では北海道が統計の残る1960年以来首位を守り、1兆2558億円だった。2位以下は鹿児島県、茨城県、千葉県、宮崎県、熊本県が順に並ぶ。

60年時点では新潟県など米どころが上位の常連だったが、需要低下もあり稼げる農業の内訳が一変。台風被害を防ぐため稲作から施設を使った畜産や園芸への転換を進めた宮崎県などの九州勢が躍り出た。

マンゴーの産地、宮崎県日向市は県やJAなどと取り組んだ高級マンゴーのブランド「太陽のタマゴ」のほか畜産などで生産力を高めた。主力の養鶏では事業者が鶏舎の清掃などの分業化を進めて作業効率を向上。鶏肉の年間出荷回数を従来の4.5回から5〜6回程度まで引き上げた。

日向市だけでなく、宮崎県内では関係者が一丸となった競争力向上の取り組みが進む。県は1994年に「みやざきブランド確立戦略構想」を策定し「『作ったものを売る』から『売れるものを作る』」を目標に据えた。おいしさや鮮度といった商品そのものの「質」を高めるだけでなく、安心・安全を前面に畜産物と花卉(かき)を除くすべてのブランドに月2検体以上の残留農薬検査を義務付け、基準値を超えた場合には迅速な出荷停止措置をとれる体制を整えた。

鹿児島県は19年度から県産ブランド力を高めるため、品目の前に県名をつけることで統一した。

増加率2位の鹿児島市も「鹿児島黒牛」や「かごしま黒豚」の産地の一つとして、県や周辺自治体と連携して知名度向上に力を入れる。県は全国に先駆けて1989年から販売力の強化を目的とした農産物の認証制度をスタートした。

2010年代半ばからは輸出も強化。牛肉は東南アジアでの人気が高く、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、県全体の輸出額が前年度比5%減少の214億円だった20年度も、畜産物は21%増の106億円と過去最高額を更新した。

鹿児島黒牛と宮崎牛は17年末、国が保護する地域ブランドに登録された。鹿児島黒牛は遺伝子解析などの先端技術を使い、改良に長く取り組んできたと認められた。宮崎牛は種牛の一元管理を全国で初めて構築したと評価された。地域ブランドには「神戸ビーフ」「特産松阪牛」も名を連ねており、世界に知られる和牛産地と南九州が肩を並べている。


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岩手県はベスト10入りもしているし、国の認証制度も利用してそこそこの取組はしている。

しかし、生産現場にあって実収を伴う達成感を持っている農業従事者はどれほどいるだろうか。

なぜ九州ほど突き抜けることができないのか。腰を据えて考え実行しなければならない。産業振興こそが県がかからねばならない優先度の高い仕事だ。
posted by 飯沢ただし at 22:42| 岩手 ☁| Comment(0) | My Diary  【ふつうの日記】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする