を視察してきました。岩渕委員長が昨年から企画していたのですがコロナの影響で実現できずにいたのでした。
放射光とは、高速近くまで加速された電子を強い磁場によって曲げる際に放射される太陽光の10億倍以上の明るい光で、特にX線領域に強みがある。とされています。
これまでKEKなどで円形加速器を視察してきましたが、円形加速器でビームを高速で出すと電子が遠心力で飛び出てしまい効率が悪くなるとの説明を受けてきましたが、放射光はその逆の発想から出たもので、飛び出たものを利用するという考え方でつくられている施設です。
すでにわが国では1997年から稼働している兵庫県にあるSPRING〜8(かつて岩手県が誘致をした経緯がある)が有名ですが、次世代放射光施設は加速器技術の進歩により輝度の高い軟X線で物質の機能解析(電子の振る舞いを見る)に優れています。
この機能解析により、触媒・医療・燃料電池・創薬などの新開発が実現可能になるのです。
ILCは直線加速器で超電導加速器を使用しますので、電子と陽電子の衝突により超クリアなデータが解析されて、未知のレベルの物質を分析することが期待されています。よりハイレベルな開発や利用が可能となるのです。
東北大学が先行してこの施設を活用することにより、得られる技術や人材はこの先ILCにも発展的に波及していくことは間違いありません。