2021年03月30日

県教委の決断

一関工業と水沢工業が各々単独で存続した場合、生徒数の絶対的な減少によって先細りしていくのは明白との前回の分析でした。

今回、県教委は通常であればどちらかの高校に統合するという案ではなく、新設校として統合するという案を示しました。県財政が極めて厳しい折に新設して統合するという案はかなり画期的な考え方であり、よほどの決断があったと推察します。よって県南地区における工業高校の学びの環境を整えるという決意が私は見て取れるのです。ましてや日進月歩する技術革新に対応する学校設備がこれから必要であることは言うまでもありません。

ここで、議論となったのがブロック(両磐・胆江)越えという考え方が統合に慎重な方々から示されました。

そこで私は先の教育委員会の審査の中で工業高校のような実業系高校のブロックという法的根拠について定めはあるのかを質したところ、ブロックの概念は旧広域生活圏内の生徒数から計られる学級数を把握するものであって、教育委員会規則で定められた学区の考え方と一にしないものとであるという答弁でした。そもそも実業系の高校には学区の枠は存在しておらず全県どこからでも制限なく入学が許可されるものです(学区はあくまで普通科の枠を規定するものです)。よってブロックに関しては法的根拠の裏付けがないことが示されました。


併せて県南地区における工業系人材育成の観点から将来に大きく与えるILCの動向についても押さえておかねばなりません。ILCの実現に至るまでにはまだ超えなければならないハードルはありますが、世界の研究者がKEK内にIDTという組織をすでに立ち上げプレラボの設立にスケジュールが明確に示されている中でこれを無視して進めることはあり得ないと私は思っています。私の質問に教育長が直々に答弁され、ILCの動向を十分に視野に入れつつ子どもたちへの学びの環境を前々と整備する必要があることを述べました。


新設校の設置場所についてはこれからの協議事項となりますが、いずれにしても両校の単独存続となった場合には生徒数の減少により大きな設備投資は極めて困難な状況が容易に想像できることから、将来への人材投資のために統合を進めて豊かな学びの環境を整備するのは今生きる私たち大人の責任だと私は強く思っています。
posted by 飯沢ただし at 23:25| 岩手 | Comment(0) | My Diary  【ふつうの日記】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする