昨日、令和3年度予算を審議する予算特別委員会が約2週間の長い日程を終えました。県から提案された案は議会が付帯意見を付して全会一致で可決されました。
と新聞記事には結果だけ掲載されていますが、世話人会による賛否の取り扱いの協議は断続的に約6時間にも及びました。6時間に及ぶ時間を要したのは付帯意見の内容を精査する時間を要したのではなく、大半は付帯意見をつけるかどうかを巡って費やされた時間でした。こうした事実経過は一切報道されません。
世話人会は交渉会派によって構成されますが、第一会派ではる希望いわてが付帯意見をつけないで予算案に賛成を主張し、第二会派(自由民主党)第三会派(いわて新政会)第四会派(いわて県民クラブ)が付帯意見をつけて賛成との意見で割れました。
付帯意見をつけない理由として、仄聞したところによると@質疑を通じて議会の意思は十分当局に伝わっているA県の予算執行権を議会が確保すべきB他県の県議会でも付帯意見をつけない例がある を主張したようです。
この主張は他の会派が納得するべくもなく却下され、結果的には付帯意見をつけることにはなったわけですが
1)そもそも議会は合議体であること⇒あまりに第一会派の主張を長時間にわたって引っ張りすぎ
2)付帯意見をつけないことは当局に白紙委任をしたと曲解される可能性があること⇒特に現職知事にあっては都合のいいように使われる可能性が十分にある
3)二元代表制の一翼を担う議会は予算や決算審議に当たっては税金によって成り立っている事業が大いに県民に効果的であるか、あったかどうかを審議し、意見を述べる必要があること⇒付帯意見は当時の議会の意思として歴史に残されることを忘れてはいけない
こうした議会の使命を軽んじて、知事との距離感を優先するのを目的としたような主張を毎度くりかえされるのは私には理解できかねます。ましてや喫緊の課題であるコロナ対策や女性活躍支援に関しては、いわて県民クラブが当局の不足な点を追及したので意見をつけないで賛成というわけにはいきません。
世話人会の協議中にどうせ反対などできないだろうといった乱暴な話も聞こえてきましたが、そこまで他会派にタカをくくっている態度を続けるようなら私らにも次回以降には考えがあります。
予算特別委員会の審査には委員全員が毎日熱心に審議されただけに、こうした委員会の結末には徒労感が半端ありません。