2021年02月21日

蘇る20代の頃の記憶

先日、倉庫で探し物をしていたら書類キャビネットの中に一つの書類が出てきた😞

三井倉庫時代に担当していた本船のストウェージプランだ。船会社のスーパーカーゴが書いたプランを自分が独自に修正して書いたプランだ。プランには荷積みする貨物を積んだ艀(はしけ)の船名も添えて書いてある。このプランを持っていたのも忘れていた。

そのプランの本船は IBN AL ATHEER 私が担当した船会社であるUASCのKクラスという船型の本船だ。Kクラスの本船は全部で30隻ほどあったと記憶している。

ibn al atheer.jpg

【神戸港で荷役中の本船IBN AL ATHEER 大型デリック、シュタルケンが稼働中】


プラン作成の日付は1987年の8月となっている。実はこの頃からこの在来船Kクラスが活躍してきた中東向けのプラント輸出は陰りが出はじめて、貨物船はまもなくフルコンテナ船へと移行していく。まさに私が担当した4年間はKクラス本船にとっても最後の頃の航海だったと思う。

あれから40年余の時が流れ、港に関わる仕事も大きく変容した。上の写真にある艀(はしけ)業などは今でもなくなっているだろう。

人生の振り返るのにはまだ早いが、この頃、朝に乗船して組のウィンチマンが一斉にクレーンのスイッチを入れるキューンという独特な金属音は今だに覚えている。その音が仕事の始まりのサインであり、乗船している大勢の仕事人の活気がよみがえってくる。皆な若くて熱気があった。この船会社の仕事は気が抜けなかったが、緊張の中で集中力が研ぎ澄まされ、多くの人たちから多くのものを与えてもらい自信を得た。現在までの私の仕事に対する姿勢の基礎となっていることは間違いない。

al gurainiahx .jpg


最近ではネット社会の進展のおかげでKクラス導入以前の本船の画像も見ることができる。今ではこの本船で働いた人たちも少なくなっている。近いうちに関係者とゆっくりと話ができる日が機会があることを心から願いたい。

いずれにしてもかつての熱気が懐かしい。

posted by 飯沢ただし at 21:24| 岩手 ☁| Comment(0) | Good Old Vessels【懐かしの船】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする