2月議会は次年度の予算を審議する議会であることから知事と教育長が開会日初日に所信表明演説をすることが慣例となっています。
【岩手日報朝刊4面 2021.2.18】
毎回、岩手日報社からは知事演説のコメントを求められるのですが、紙面のコメントに書ききれないほど例年になく中身の薄い内容でした。毎年毎年自画自賛を述べ、本県が直面している将来的課題に関しては抽象的な方向性のみで具体的な手立ては示さず。人口減問題は完全にスルーです。毎年同じパターンの繰り返しです。
民間会社に置き換えるなら、社長の中期経営戦略を示さず部下にお任せスタイルです。これは放漫経営に等しいことです。
将来のために今この時点でどうしてもやらなければならない、リスクを背負ってでもやり遂げる遂げるといった知事の覚悟など今まで聞いたことがありません。人材育成、産業振興(一次産業)など今から種をまかねばならないことは誰もが分かっています。しかし、毎年毎年、部下が用意した短期的対応を主にした事業名を言い並べ、締めは幸福、希望といった空想的観念的な話で結びとする。このままでは化学変化など起こりません。
思い起こせば先の選挙で県民計画をマニフェストに置き換えるという手抜きがこうした状況を生み出しているだと思います。
こういう会社が民間だとしたら将来どういう状態になるかは言わずもがなです。県の職員が必死に支えているから何とか体裁を保っているようなもの。しかしながら株主たる県民にはこうした危機感がなかなか実感として伝わらないところに私の忸怩たる思いが年々重なっていきます。
多選の弊害は確実に表れています。