1970年代前半のプロ野球はまさにプロの技を見るという観客の在り方だった。応援も私設応援団のおっちゃん達が内野席で三々七拍子の音頭をとるくらい。カープが昭和50年に初優勝したあたりからトランペットを持ち込み、高校野球の応援スタイルを真似するようになった。当時中学生の私も違和感があったのを憶えている。それからどんどんファン参加型の応援が進化して選手別のテーマソングまで昨今では標準装備になった。確かに参加型の応援が進化するにつれ若いファン、女性ファンが増えていったのは間違いないから完全に否定はしないが、試合中のべつまくなし音が鳴り続けるのには古いファンは少し煩いと感じることも少なくない。そこで球音を楽しむ日という年に何回か設定されるようにもなった。
【伝説の1973年巨人対阪神10−10の引き分け試合 萩原選手ホームラン】
昨日のTBSの情報番組サンデーモーニングで元巨人の桑田選手が応援の在り方についてとてもいい示唆を与えていた。それは球の音を聞く場面と応援する場面のメリハリをつけること。そうすれば野球の楽しみがもっと深くなる。素晴らしい提案だと思う。
今回のコロナ禍によって新たに再発見したことも多々あり、いいと思ったことはぜひとも実行してほしい。
7月10日からプロ野球は観客を徐々に入れる方針を本日明らかにしたが、ぜひとも桑田氏の提案をもとに応援スタイルを工夫することを望みたい。
日本のプロ野球は開幕したがアメリカの大リーグはまったく見通しが立っていない。最悪今年は完全中止になる可能性もある。アメリカはフロリダ州などで依然として罹患者が増加傾向にあるとの報道もあるので無理はできないだろうが、まるまる一年ゲームができなくなることはファンも選手も辛かろう。