2020年03月26日

3月24日の知事記者会見より

 あとこの機会にもう一つ言うと、2月26、27日の総理からの要請、これはイコール政府からの要請となったのですが、あれは今、大々的な方向転換を迫られている訳でああいう総理大臣が側近の官僚の意見だけを尊重して日本全体を巻き込む大きいことを決めて出していくということが、もう二度とないような政府の形というのをつくってもらわないと駄目だと思います。それは内閣の形を変えるということです。特に近畿財務局の自らの命を絶った方の遺書が出てきたことや、検察関係の人事、異例な定年延長の問題というようなことについて決着をつけられないような政府、内閣のままで、このコロナウイルス対策を進められるとは考えにくいので、何らかの形で政府の形を変える、内閣の形を変えるということを今、しなければならない局面だと思います。

 こういうときは、予算成立のタイミングとか、そういうところを見計らって、あるいは特措法の成立といったところがまた一つのタイミングだったのだと思うのですけれども、内閣の形イコール政府の形を変えることでやるべきことをやり、またその中でそういった政府の信頼を揺るがすような問題についても並行して取り組むと。信頼を疑われている体制そのものがその問題に取り組みながらコロナウイルス対策もやるというのは、やはりそれは無理なのだと思います。やはり新しい体制にして、コロナウイルス対策と、またそれ以前の政府が持たれている疑惑の解明ということを並行してやっていくということが、全てうまくやっていって、国民の力を結集しやすくなる、そういうやり方だと思います。

事態が深刻化していけばいくほど、国民一人一人が政府をどれだけ信頼できるか、また、政府を信頼する国民をどれだけ多く数を確保し、力を合わせてやっていけるかということが先に行くほど問われていくことになるので、ヨーロッパ、アメリカの事態を見ていると日本におけるコロナウイルス対策はまだ始まったばかりで、これから本番みたいなことが起こる可能性がある訳ですから、むしろ今のうちにより強力な、国民に信頼される政府、内閣の形をつくる、特に年度の変わり目。過去の日本の政治の歴史を遡っても、予算成立と引換えにとか、重要法案の成立と引換えに内閣、政府の形を変えていくというのはあったと記憶しますので、そういう日本政治の知恵の出しどころだと思います。

 今日は、抽象論で勘弁してほしいと思っているところなのですけれども、選挙はまずいですよ、やっぱりフルの選挙が今できない状況にありますから、握手とか個人演説会とか難しいので。そういう形で民意を問うのではなくて、内閣を構成し、政府をつくるのは基本的には国会議員の皆さんでありますから、国会議員の皆さんが知恵を絞っていい絵を描く。そういう筆や画材は国会議員一人一人が持っている訳ですから、それで国民が安心して力を合わせられるような絵を描いてほしいというところです。

【岩手県ホームページより 知事の発言を抜粋】



アンダーラインの部分はかなり現政府を批判している部分です。
現政権は国民の信頼を得ていないからまっとうなコロナ対策など打てないから内閣を変える必要があると言っています。でも政権交代に必要な選挙は今はダメだとも言っています。

国会における野党の追及と呼応しての発言でしょうが、私はこのタイミングでこの発言はどんな意味があるのだろうかと疑います。極めて非現実的な内容を政権の中枢にいる誰かが本気で受け止めると考えてので発言でしょうか。それとも野党の国会議員へのエールのつもりでしょうか。

岩手の行政職の長たる者なら県民の利益を第一に考え、発言し、行動すべきとは私がいつも知事に対して言っていることですが、現時点で非現実的なことを発言して一体岩手県に何の利益を得られるのかと思います。(まぁ今となってはまた岩手の知事が何か言っているくらいしか反応はないでしょうけど)問題は県の職員が国への要請に行ったときに仕事に影響があるかなしかくらいは普通の感覚なら想像できそうなものですが、そういう深謀遠慮もないということが致命的です。とりわけコロナ対策で国との協議の頻度はこれからかなり多くなります。

また、政治的な内容の発言を県の公式な記者会見の場で行っていることにも違和感を感じます。

かつて大阪府知事や大阪市長をされた橋下徹氏は明確に行政職の長としての立場と政治家としての立場をわきまえて発言をしていました。政治的な発言をするときは行政の公式な記者会見の場を使いませんでした。

今回の会見はは選挙後に大量得票を得て「達増拓也に反対することはやめるべきだ」と言った傲慢な態度と重なります。視座を失った長ほど恐ろしいものはありません。
posted by 飯沢ただし at 23:53| 岩手 ☁| Comment(0) | My Diary  【ふつうの日記】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする