2020年01月26日

ILC決定までのプロセス

The king and Ix.jpg

【この画像の意味するところは1月31日に追記します・・・】


ILC決定の期限が近いといわれていますが、おさらいの意味でここに今後のスケジュールを記しておきたいと思います。

その前におさらいの意味で国際科学コミニティでは昨年のLCWS2019仙台会議で「仙台宣言」を採択しておりますので転載します。

ILC の実現に向けた宣⾔:「仙台宣⾔」

現在,仙台市で開催されているリニアコライダー国際会議(LCWS2019)に,多くの国と地域から科学者が集まっている。我々は世界の仲間とともに,ここに「仙台宣⾔」を発表する:

我々はILC 建設の重要性を再確認する。
これまでのLCWS 会議における宣⾔において,我々は宇宙を理解するための本質的な次のステップとして,ヒッグスファクトリーの建設を提案した。この提案は欧州合同原⼦核研究機関(CERN)の⼤型ハドロンコライダー(LHC)から得られた最新結果によって,さらに説得⼒を増している。
2019 年3 ⽉,国際将来加速器委員会(ICFA)は,これが次の世界規模のプロジェクトであると国際的に合意されていることを確認した。

ILC の設計は成熟しており建設の準備が整っている。
ILC の鍵となる超伝導加速技術はドイツの欧州X 線⾃由電⼦レーザー(XFEL)で実証され,⽇本,中国,⽶国でもプロトタイプが開発されている。結果として,経費の⾒積もりは技術に裏打ちされた堅実なものとなっている。ILC の設計性能を達成するために重要で不可⽋な技術は,⾼エネル
ギー加速器研究機構の先端加速器試験施設で既に開発・実証されている。ILC の設計には,将来,より⾼いエネルギー,より⾼いルミノシティにアップグレード可能な柔軟性がある。初期段階の研究プログラムは,それ⾃⾝⻑期的で⽣産的なものであるが,この柔軟性を活⽤することにより,さらに発展させることができる。

我々は地域社会から強い⽀持を受けている。
2019 年3 ⽉のICFA とリニアコライダー国際推進委員会(LCB)との合同会合において表明された,⽂部科学省及び関係省庁におけるILC への継続的な関⼼は,⽇本政府の最初の公式⾒解として⾼く評価されている。世界の研究者は,⽇本の国会議員の⼒強く絶え間ない⽀援に感謝している。加えて,我々はこの会議の全期間を通じて,⽇本特に東北地⽅のコミュニティ,産業界から,ILC 実現への強い⽀持と熱意を感じた。
我々はILC の成功に向けて⼒を尽くす。
ILC の科学的重要性,その技術的成熟度,及び⽇本におけるILC 実現への強⼒な⽀援に鑑み,仙台でのLCWS2019 に参加している国際コミュニティは,ILC に取り組む世界中の仲間と共に,ILC の建設及び科学的探求を国際プロジェクトとして推進することを改めてここに誓う。

LCWS2019 に参加している科学者
リニアコライダーコラボレーションを代表して


・国内では2月中に文科省が「学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想 ロードマップの策定」の2020年版(現在は2017版が最新)、いわゆるマスタープラン2020にILCが記載されるかどうか。

・それを受けて政府がILCを国際プロジェクトとしてのホスト国として名乗りを上げるかどうか(ここまで行けば理想だが、おそらくそこまでは至らないだろうというのが私の見解)

・海外では5月に策定される「次期欧州素粒子物理戦略」にILCが記載されるかどうか。

というのが決定までの越えなければならないプロセスになっています。文科省は現在開会している通常国会で令和2年度の予算要求として2億円をILC関連で予算要求していますので大きく道を外れることはないと思われます。
posted by 飯沢ただし at 23:54| 岩手 ☀| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする