ラグビー日本、国際化で躍進 「皆がリーダー」に
【2019/10/21 23:00日本経済新聞 電子版】
20日の南アフリカ戦に3-26で敗れ、アジア初開催のワールドカップ(W杯)に臨んだラグビー日本代表の挑戦は終わりを告げた。伝統チームの独占が続いた8強に割って入ったのは、ラグビーの歴史を塗り替える快事となった。
「タハ、ウア、トル、ファ、ニマ」「イル、イー、サム、サー、オー」。6月、宮崎市での代表合宿。トレーニング中に行き交うのはトンガ語、韓国語など5カ国語の数字だった。一人ひとりが大声で1〜5を数える際、海外出身選手が母国語で場を和ませた。今回の代表には日本代表で歴代最多15人の海外出身選手がいた。出身国は7カ国。トンガ出身の中島イシレリのパワー、南ア出身のピーター・ラブスカフニの経験などは大きな戦力だった。
ヘッドコーチ(HC)のジェイミー・ジョセフはルーツの異なる彼らを一つにまとめる工夫を凝らしてきた。ジョセフのチームはフラットだった。リーダーに指名された10人の選手が試合前、守備、攻撃、規律、密集戦などの戦術をほかの選手に伝達する。最終的には全員がリーダーにならなければと、南ア戦の直前はこのミーティングもなくなった。
大会を通じて選手の主体性、自律の芽生えが見えた。金星を挙げたアイルランド戦では選手たちが話し合ってスクラムの方向などを修正し、ピンチを脱している。
今回のラグビー日本代表は今後の日本社会の国際化を象徴する成功事例だと思います。
東北大学の山本均先生が示唆に富む意見をFacebookに記事を載せています。
10月14日
やりました、日本代表。スコットランドの方のTwitterに'We were outstanding today. Japan were just better than outstanding. They were magnificent.'とあったように文句なしの勝利でした。でもそれ以上に心温まるものがあります。日本代表メンバーの生まれ故郷です。半分は日本以外からで、日本国籍でないメンバーもいます。トンガ、ニュージーランド、サモア、オーストラリア、韓国、、、それでいてこれほど強く団結したチームをみたことはラグビー以外も含めて思い出せません。そんな彼らが想像を絶する厳しい練習を耐え抜いてこれだけのことを成し遂げる。いま日本で働く海外生まれの人たちが増えていて、将来社会問題が顕在化することもあるでしょう。そんなときこのラグビー日本代表のことを忘れないようにしたいものです。
山本先生、私も決して忘れません。