2018年10月16日

「幸福」をめぐる議論について

時期総合計画の審議が始まったことで、メディアも注目を始めてきた。

次の10年の長期計画は県の各年の政策指針となることから極めて重要である。

さて、「幸福」の件である。

県は次期総合計画を東日本大震災の復興過程でキーワードとなった幸福追求権を広義に解釈し策定を始めた。補完する行政から一気に積極的に個人の領域に踏み込んだ幸福を定義し、これをすれば幸福になれるであろうとする10の政策領域を定め、その下に12の政策を配置したものである。


今日を含め新聞メディアは議会側が幸福論の入り口で彷徨い、本論に入らないことを批判していたものがあったが、大前提に置いた県の幸福が曖昧な設定であるなら全ての政策の内容に信用性がなくなるので、この議論は外せない。推察の域を出ないが議会は対案を示せなどという論調は以前にも同じケースがあったので一部メディアには県当局からバイアスがかかっているのだろう。


そもそも憲法13条に書かれているのは幸福権を追求する権利を国が保障することであって、個人それぞれに持つ幸福感には立ち入っていない。幸福追求権によって幸福を求めたが結果としてそれから漏れた人たちを県が規定した幸福施策で満たす可能性は期待できない。なぜなら個人で感じる幸福感は人それぞれだからだ。


こんな空想的なものを出発点とするより、今自治体や県民が欲しているのはもっと実効性のあるものではなかろうか。例えば広域で取り組む力強い産業振興策などが挙げられる。


いわて県民クラブでは今月と来月にかけて県内33自治体の首長と面談して、この長期計画についても意見を個別に聴取することを決定した。より良い議論ができるように準備は万全に進めていく。
posted by 飯沢ただし at 12:30| 岩手 ☁| Comment(0) | My Opinion 【意見を申す】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

製造業はなくなる!?

「製造業」はなくなる 日立・東原社長が語る未来
【日本経済新聞 電子版 2018/10/13 20:40】

「2つの意味で従来型の『製造業』はなくなる。まず大量生産を前提とする工場の価値が減る。膨大な生産データをビッグデータ解析し人工知能(AI)で分析すれば、製造工程の不具合や生産ロスを効率的に減らせる。工場の品質が均一化する可能性を秘めるが、技術者が担ってきたこの分野こそ日本の製造業の強みだった」

「デジタル化はそこに付加価値を見いだすことを難しくする。3Dプリンターなど最新技術を駆使すれば、データを基に設計図面を自動生成し金型や製造プロセスに落とし込める。データから何でも作れる。しかも少量多品種で。そんな時代が目の前に来ている」

「デジタル経済がもたらすもう一つの変革は、消費者に近いところで起きている。電子商取引(EC)や電子決済の普及だ。購買にまつわるあらゆるデータは消費者が欲するものと欲しないものの線引きを明確にし、そこにメーカーもサービス事業者も集中する。メーカーとそれ以外の垣根が崩れる」

「メーカーだけではない。エネルギー、運輸などすべての業態で垣根が消える。考えてみてほしい。消費者ニーズのくみ取りから商品設計、生産、物流、販売という大きなビジネスの流れのなかで、メーカーは製造の専門家として生産に集中していればよかった」

しかしあらゆるデータが瞬時に集まる時代、調達から物流、マーケティング、販売は一体でやらなければならない。メーカーは生産分野から領域を広げようとするし、サービス企業も生産委託などを使い領域を広げる。既存の役割分担がなくなる」

「どうすれば元気に年齢を重ねられるか、快適な街とは何か、誰が自動運転を求めているのか。世の中のニーズをつかめた企業だけが生き残る時代が来る」



厳しい世界で戦っている企業トップの言葉には心を揺さぶられます。激動の未来、ビジネスの社会では成功体験など通用しなくなります。

片や、本県の未来は「幸福〜」。そんなんで大丈夫か〜。
posted by 飯沢ただし at 00:11| 岩手 ☁| Comment(0) | My Diary  【ふつうの日記】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする