お久しぶりでございます。少し充電をしておりました。これから元のペースに戻りますのでよろしくお願い致します。
今日は古い話になりますが、8月27日(月)に岩手日報紙に掲載された『米西海岸型発展構想』について私の意見を述べさせてもらいます。
岩手日報紙によれば県は次期総合計画の重要構想に「北上川流域の産業生活革命(仮称)」を盛り込む方向で検討しているとし、ものづくり産業が集積する県南部、都市機能が充実する盛岡広域は高速交通網で結ばれる。その南北ラインを一つの生活圏として求心力を高める形で、米国の西海岸モデルの発展を描く。としている。
「サンフランシスコの都市機能と、少し南のシリコンバレーの研究開発生産機能がセットで発展している。そのイメージに合致するんじゃないか」。」と達増知事は記者会見で語った。とされている。
ITの本場のシリコンバレーで働き、豊かになった人がサンフランシスコに住んで公共交通機関で通う。ことを具体的に想定しているらしい。
しかし、県がお手本に示した米国西海岸の現状はまったく異なります。
私が4年前にスタンフォード大学周辺やSLAC研究所を視察調査しましたが、シリコンバレーに働く人たちは地価が高く居住クオリティも高いと決して言えないサンフランシスコには多くの人は目指しません。むしろシリコンバレーの南部や西部方面に住宅開発が進んでおり、広域で生活環境も整備されています。サンノゼ空港が国際便を受け付けるようになってからはさらにその傾向が強くなっていました。
達増知事が示した都市機能との連携は一体いつの話なのか・・・30年前の話ではないのですか???
おそらくILCの実現により盛岡市との接点が薄くなるのを防ぐ意向なのでしょうが、発想があまりに貧困です。
こんな調査に基づかない知事の単純な思いつきが発端となって長期計画が練られているのならたまったものではありません。
ILCの実現によるものづくりの集積化と生活環境整備のセットはグリーンILCの考え方に基づいた山里田園地帯への広域点在化を主体とすべきと私は主張します。それは環境の世紀に相応しい自然との調和した21世紀型のまちづくりへの挑戦でもあります。
今議会から審査が始まる県の長期計画。しっかり10年後の岩手を見据えて踏み込んでいかねば計画の意味をなしません。