自民党の岩手県連が次期総選挙に向けて新選挙区における全3区の支部長(候補者)の人選を行い、党本部に上申する手続きに入ったとの報道がありました。
いつ解散が起こってもおかしくない情勢であるので各党の動きも加速しそうです。
さて、衆議院が小選挙区制度になって20年余となります。政権交代が可能な制度というふれ込みで導入されましたが、一方で政策を基軸とした政党活動が地方まで浸透してきたかという点については改善どころか後退してるのではないかと私は思います。
過去の選挙を振り返っても、政権交代!という旗だけで政策の精度は後付で走った選挙もあったし、郵政改革というシングルイッシューだけで解散した選挙もありました。要は勢いに任せて数を取るのが先決というやり方がまかり通っているのが現状ではないかということです。
昨今ワイドショーまで取り上げられている国会議員の不祥事など目を覆うばかりの状況は学歴等で簡単に候補者になるケースが多く、政党が候補者の数を揃えることに優先順位を置いて、政治家としての気力胆力を測らずに候補者にまつりあげているのも原因ではないかと思います。また、政党内での議員の関心事は選挙区の公認を得ることが最大で、党本部に悪く思われないよう、政策には竿をささないで従順にしておいた方がわが身安全とばかりになって議員間の切磋琢磨する議論もなく結果として議員の質を低下させているのではないかと感じます。
国の立法機関たる国会がこのような事態に成り下がっているのは国力の低下につながることをしっかり押さえておかねばなりません。
岩手新2区は日本で一番面積の広い選挙区とか。こういうことなら中選挙区にもどして岩手全県選挙区で定数3で行った方が政党内議員も鎬を削ることになり活性化し、なおかつ合理的ではないかと思います。衆議院選挙の区割りは市町村の広域行政の在りようにも深く関わっていきます。20年を経過した今の小選挙区制度はいったん検証するする必要があるのではないでしょうか。
それともう一つ本題からは逸れますが、今の政権を倒すには野党共闘だ。オリーブの木で団結して政権を取るのだという某政党の党首が主張していますが、これは小選挙区制度を利用して数を集めることに執心し、肝心の政権構想は後からと言う考え方であり、我が国をあるべき方向に形成するという要諦からは程遠い発想であると私は考えます。日米安保破棄、米国追従はやめろという非現実的な政党と一緒の輪になってどういう国をつくるのでしょうか。私は理解できませんしもちろん支持できません。大体にしてオリーブの木はイタリアで破たんした例があり、その原因は過半数を維持するために構成する小党に振り回されて政策がぶれまくったからなのです。いまこそ選挙前に国民に正しい理解を促す必要性を強く感じます。