2014年12月11日

3年連続決算不認定

昨日12月定例議会は閉会し、注目されていた平成25年度一般会計の認定議案は
不認定となりました。決算の不認定は3年連続となり、達増県政では7年の決算審議で5回目となります。ということは2回しか認定されなかったということです。

本会議で委員長報告に対する賛成討論(決算に対しては不認定)を致しましたので、その内容をここに記します。

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いわて県民クラブの飯澤匡でございます。
会派を代表して認定第1号平成25年度岩手県一般会計歳入歳出決算に対し、不認定とする委員長報告に賛成討論をいたします。

3年連続の不認定は県政史上例をみない事態でありますが、達増県政7年のうち5回目となる不認定の数を刻んだことは、後世の人々が県政を検証する上でいかなる岩手県政であったかの歴史を審査するに余りある数字でありましょう。
全国都道府県議長会に照会したところ、平成元年から平成25年までの期間で3年連続不認定となった事例は秋田県の4年連続(平成6年から9年度決算)、宮崎県の3年連続(平成17年度から19年度決算)の2例しかなく、また参考までに過去10年間で一つの都道府県で決算が5回以上不認定となった事例は皆無とのことでありました。但し、本県の3年連続の不認定は、花泉診療センター民間移管、「特定非営利活動法人大雪りばぁねっと」、DIOジャパン問題等政策運営上の失態により議会が不認定と決したものであり、数のみならず質ともに問題は深刻であります。

25年度決算が不認定とする理由を述べる前に、当局は当認定議案を提出するにあたり2年連続不認定を踏まえて議会に誠実な姿勢を持って周到な準備をしたのかを指摘せねばなりません。特に昨年に引き続いて問題となった「特定非営利活動法人大雪りばぁねっと。」事案は議会がこの間2度にわたる決議等指摘したものに応えていないまま漫然と議案を提出していることは当局の姿勢として議会を軽視していると断ぜざるをえません。
達増知事は「決算の認定ということは、数字の正確さを認定していただいて、政府の統計にも反映されますし、さまざまな学者の皆さんや一般の皆さんも岩手の決算はいくらだった、内訳はいくらだったいうことに基づいて研究や仕事にも生かし、生活にも役立てていくという、そういうものとしての決算をオール岩手として力を合わせてつくって世間にお示しするのが決算の目的ですので、そういう決算の趣旨に沿った形での取り組みが行わればいい」と決算の認定についての考えを記者会見で申されておりますが、県行政の最高責任者がこのような認識の前提で議案提出をされたのであれば不認定は自らが引き起こしたと言えます。議案提出以前の問題であります。

そもそも議会に与えられた「決算認定の権限」は、歳入歳出予算の執行の実績である決算について、その内容が適法かつ正当に行われたかどうかを確認することであります。執行の実績、結果を含めて議会に批判、監視の機会を与え、当該地方公共団体への財政運営の適正を期することとしているからであります。  
したがって決算審議にあたって議会としては、法令、条例、規則等との関係法規に対する適合関係、計数的正誤の精査にとどまらず、過去の財政運営を通じて問題点を発見し、将来の財政運営にこれを反映させるといった視点からの検討も期待されているのであります。このことは昨年も一昨年も申し上げております。
議会の権能を十分に発揮するために我々は議案審査に臨んでおり、知事の認識と大きくかけ離れていることに愕然とするものであります。

不認定とする理由の第一は県の補助を受け、山田町が「特定非営利活動法人大雪りばぁねっと」に委託した緊急雇用創出事業に関し、同法人の不正な経理と支出により多額の事業費が費消され、結果として事業の実施を打ち切らざるを得ない事態に至った問題であります。
この問題は、先に申し上げた通り、議会は当局の内部検証を検証に十分足るものとして認めず2度の決議を持って抜本的な県関与部分、具体的には御蔵の湯が一転して認められた件等意思決定の経過を検証し、県の責任を明らかにすべしと致したところですが、県は真摯に受け止めるとはしながら、顧問弁護士の見解を楯に解明に努力していません。第三者による検証が出来ない根拠について、一般質問で同僚の佐々木博議員が問いただしましたが、答弁不能となったことから明確な根拠がなく、ただただ問題を先送りしていることが明らかになりました。県が検討している内部検証を外部の有識者に評価してもらうとの対応を検討しているとのことですが、これは議会が求めるものとは全く質を異にしており、議会を冒涜するものです。無駄な作業は止めて頂きたい。このような不誠実な県の対応は昨年の不認定の教訓を全く活かしていないに等しく、厳しく糾弾されるべきものであります。

不認定とする第二の理由は、DIOジャパン破たんに関わる問題であります。
この問題も大雪事案と同様に国の緊急雇用創出事業でありました。

当初430人を雇用する計画も達成率は32%にとどまりました。あまつさえ事業期間を越えたら雇止め、給料の未払い、たった一年でリース物件の無償譲渡が行われた事実が判明しました。議会は緊急雇用対策が継続的な雇用に結び付けられるのかを計画的に行っていたのか。中間検査において雇用現場で起こっている中身を是正することができなかったか。これらの問題についても厳しい追及がありましたが明確な答弁はありませんでした。また、議会は徹底した中間検査を要請したのにやらなかった。秋田県はDIOジャパン社を訪問した際に被害の状況を克明に把握したのに、なぜか岩手県はやらなかった。中間検査も平時のチックリストですませて問題を堀り起こさなかった。これらは県行政の怠慢です。
それでも、県側の答弁は
「事業そのものについては問題がなかった。」「事業主体は市町であり、県は事業を繋いだに過ぎない。」このような答弁を関係市町の関係者は聞いたらどのように思うでしょうか。
また、達増知事の一瀉千里にわたる公募前のDIO社へトップセールス、国体協力金の授与、一連にわたる行動はDIO社のホームページ上でも喧伝され、県内の市町が県の熱意を斟酌するに十分な行動内容でありました。

DIOジャパン問題は全国的に社会問題となっており、岩手県はその中で最大の被害県です。
秋田県の佐竹知事は7月の記者会見で「TDKの撤退などで県は雇用問題で焦っていた。結果、県民にご迷惑をかけて大変申し訳ない」と陳謝しました。事業が失敗し、結果苦しんでいる県民がいる。なぜ、本県の知事はそのような行動をとれないのでしょうか。「謝るということなれば、当該市町も謝らなければならない。」との本会議における知事答弁は当事者意識の希薄さを物語っています。

この二つの緊急雇用創出事業に県の責任回避が目立ちます。反省なくして改善策なし。
大雪問題に真正面から原因究明に全庁を挙げて取り組んでおれば、DIOジャパン問題は発生しなかった。真剣に取り組まなかったからDIOジャパン問題が発生したという因果関係にあると思います。

問題を本質的に解決しない限り、延々と問題を先送りするだけでは問題の根本的な解決にはなりません。これらの事業展開を巡って補助金返還が生じ、山田町ではすでになけなくの自主財源で返済。DIO問題に絡んでは当該所市町が県の今後の出方を注視しています。これから県が他の事業展開をするにあたり県の信頼性が問われる状況を県が作り出していることは極めて憂慮すべき事態です。このような状態で知事のよく言うオール岩手とは何をどう動かすのか、その言葉の重さは空虚なものと私は感じます。同僚議員の皆様はどういう印象でしょうか。

二つの事案とも会計検査院や国の調査が進行中であり、これからも逐次議会も調査をしながらフォローしていく必要があります。

これらの指摘した問題は単一の問題に非ず。県政政策推進全般のマネージメントに関わる大問題です。最大の県政課題である今後の東日本大震災復興に関わる政策推進エンジンの質が問われているものであり、木を見て森を見ずとの見解は当たりません。
もし、本決算を認定することとなれば、その意義は、知事が執行した予算の政治責任を解除することになります。私たちは知事の政治責任の解除を認めず、さらに再度十分な検証と今後の震災復興を市町村と一体となって行うことを強く求める立場から決算を認定できないことを表明します。
以上の決算の不認定とする理由を述べ、賛成討論と致します。
posted by 飯沢ただし at 21:48| 岩手 ☔| Comment(1) | My Diary  【ふつうの日記】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする