最初に阿原山(標高782m)の山頂から予定地を俯瞰します。
案内役は昨年の地質調査前に説明を頂いた東北大大学院の佐貫智行准教授。
快晴のおかげで室根山を遠くに臨めました。
緩やかな丘陵地帯ですので、どこからでもアクセストンネルが掘れる状況が確認できます。

旧丑石小学校に向かう途中で新緑の「小黒の滝」に立ち寄り。

今年に行われた地質調査結果においても良好な地質であることが明らかに。
写真のサンプルは衝突予定地点で採取したもの。
以前県単予算で行った地質調査のサンプルよりは細めの直径です。

通電による電磁調査でも地質の状態は全く問題ありません。

一関市役所大東支所において一関市と奥州市のILCへの取り組みが説明され、その後、意見交換を行いました。

委員からは東海村の「J-PARC」で起きた事故のついてILCへの影響とリスク管理について質問があり、佐貫准教授から
「同じ加速器でもJ-PARCとILCでは実験の内容と質が異なる。ILCの場合は実験を中断して電源を切ってすぐにでも実験施設内に入ることが出来るくらい放射線の影響は少ない。今回の事故でもっともしてはいけなかったのは事故の状況を確認せずに実験を再開してしまったこと。ILCではJ-PARCのような事故の危険性は極めて低いが、事故の教訓を活かしてリスク管理は徹底しなければならない」
放射線と放射能の違いについても住民に対して明確に説明する必要があると付言されました。
また、佐貫准教授は情報発信の仕方について
「海外から情報収集する際にWEBでの発信力が重要。研究者が生活に必要な情報を的確にヒットさせる工夫が必要ではないか」との提言を頂きました。
この発言に関しては私も
「一関市と奥州市の英語版等の対応については市レベルでは困難な面もあるので、県においてもしっかりと対応すべき」と意見を申し上げました。
今月末には地質調査の現地報告も予定されているそうで、より一層の実現に向けた機運の醸成が求められます。