国内候補地の一本化が7月に迫り、各団体主催による勉強会は,東北地方のどこかでほぼ毎日開催されているようです。これは大変結構なことです。
講師はILCお馴染みの吉岡正和先生。
吉岡先生はKEKを退職され、名誉教授となり現在は東北大学の客員教授にもなられています。

私は吉岡先生のお話は今回で5回目になりますが、一つとして同じ内容はありません。今回の新情報はILC建設におけるアクセストンネルを含んだ具体的なスケジュールを示していただきました。さすが東海村のJ-Parcを直接的な建設に携わり、ILC建設のコストダウンとしてカマボコ型シングルトンネルを設計チームに提案された吉岡先生ですからこの部門に関しても説得力があります。

着工2年目には8か所のアクセスホール14工区を同時に施工。

北上高地は緩やかな地形であるので、どこからでもトンネルが掘ることが可能とのこと。ちなみに九州の脊振山地は急峻な地形です。
ILCの実験施設はほとんどが地下に埋設されるので地上へのインパクトは最少で済む。豊かな自然環境はそのまま残される。研究都市つくばの失敗は地元社会と断絶した研究サイトをつくってしまったこと。この教訓は絶対に活かされなければならない。よってILCの研究者の滞在は分散型がのぞましい。との見解を強調されておりました。
東北ILC推進協議会の事務局、在原氏から東北誘致実現に向けての取り組みが紹介されました。

吉岡先生は北上サイトに決定したら、海と山が見れる気仙沼市近郊に居住するとの発言があり、そこまですでに考えておられるということは・・・そういうことですよ。
「東北ビッグバン」「東北ルネッサンス」
こんなキャッチが現実味を帯びてきました。
我々も力が入ります。