2012年11月30日

政治ゲームを政党主導・・・

衆議院の岩手一区に達増知事夫人が出馬することが発表された。
小沢一郎氏から要請されたとのことである。

積極的に政治に参画し、自らの思いを政策をもって実現せんと立つは権利として何人にも許されてはいるが、今回の岩手一区の構図は当初から「袂を別った相手を許すまじ」が優先して肝心の政策や理念は二の次であった。知事夫人の立候補表明に至っては、民意の底上げにはほど遠く、暗澹たる思いである。

正に、ここまでやるのか、やらなければならないのか。私には理解できない。
政党の私物化と解釈されても仕方ないのではないか。

達増知事は政治に対して民意に沿うことの重要性を常に主張しているが、出馬する側にも民意を公正に掬う責任がある。ましてや妻の出馬である。ここで言うのは夫婦で政治家をすることの是非ではない。知事があえて小沢氏の政治勢力の党員とはならず(知事選で民主党を離党して無所属で出馬、生活や未来の党員とはなっていない)支援者として参画すると行動をとってきたが、妻を「未来」公認で出馬を容認とならば、これまでの「党」所属に関する発言、行動には明らかに矛盾することになる。

昨日から開会した12月定例議会。あらたな火種を抱えての議会になるのは確実。
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2012年11月28日

ILCを北上高地へ〜今、行動すること

先週の23日(金)と26日(月)の二日間にわたり一関市内の3か所でILCにおける地質調査説明会が開催されました。

地質調査概要説明だけでなくILC計画の概要についても説明がありました。参集した住民から多くの質問と意見が寄せられるなど、説明会に留まらない地元への情報伝達の場となり、大いにILC実現への機運醸成に寄与したと思います。

地質調査趣旨説明に来られた東北大学准教授の佐貫智行先生からILC計画に関して次ののようなコメントがありました。
「ILCが実現すれば、多くの人に認知されていない東北の美味しい食べ物や東北人の人情の厚さが、外国から来る科学者から間違いなく評価され、口コミで世界に発信されることになる。ILCによる研究の成果と東北の情報がセットで情報発信される素晴らしい好機。」

「研究者は環境に溶け込み、そこにごく自然に生活することを好む。お祭りも大好き。国際研究都市になるということは特別なことをすることではなく、ここにあるモノを磨いて欲しい。」


実はセルンで対応して頂いた永井先生からも、後日KEKの石川さんを通じて

「東北地方の特産品である研究者が好む乳製品などの一次産品をグレードアップさせてアピールしたらどうか。」
とのご意見を頂いていました。

これらの研究者のご提言は貴重なものであり、今後我々の行動する指針となります。

ILC誘致による波及効果は第二次産業の技術系、工業系の産業群誘致に目が行きがちですが、

岩手の得意分野である第一次産業も大いに波及する効果は大であり、今日の国際科学研究都市が自然との調和が必然のテーマだとするならば、岩手県はむしろ食と農にこだわった波及効果に専念する手もアリです。

今後、県庁内でも県土整備部や農林水産部とのさらなる連携も必要となります。

また、セルンで毎夏行われている学生や、物理を教える先生を対象としているサマーススクールに目敏い佐賀県(北上高地のライバル脊振山地)では早速このプログラムに参加をしているとのことで、本県も早速対処しなければなりません。

住民が行動としてできることはILCの正しい情報を知り(概要だけでもいいから)、その意義を多くの近隣の人たちへ伝えること。これに尽きると思います。

私もこれからもセルンに視察に行ったことを活かして情報提供してまいります。

13世紀にマルコポーロが東方見聞録で黄金の国ジパングを世界に発信しました。伝聞で書いた記事とはいえヨーロッパのアジア観を初めて伝えた見聞録とされています。
21世紀は東北からILC実験により宇宙の誕生の起源を世界に発信することが可能になるのです。

その実現のために出来うる可能なことはやり遂げなければなりません。

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写真は国際都市ジュネーブ。
国際都市としての歴史にはかなわないけれど、それに勝るものを掘り起し創造して
東北地方がILC実現により21世紀モデルの国際科学研究都市の形成へ

これにてセルン視察報告終わり
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2012年11月20日

ILCを北上高地へ〜今、地元が備えること

来夏には国内の候補地(北上高地か脊振山地か)の絞り込みがされます。
それに呼応して候補地決定の科学的根拠となる地質調査を詳細に来年度、国の予算で行うことが決定しています。

すでに地質調査は県の単独予算で、岩手県と東北大学がすでに行い、実験サイトに地質が良好であることは明らかになっていますが、今回の調査は脊振山地も同じ条件で行うと聞いており、その調査の方法等については来る23日に大東町大原地区と興田地区、室根町の3か所で住民の説明会が開催し発表される予定です。

いよいよ大詰めの段階に差し掛かりました。

脊振山地の九州では九州大学が素粒子研究センターを設立し、産学官共同での動きも顕著になってきましたし、九州だけでなく山口県も巻き込んだ政治サイドからの働きかけも盛んになってきたようです。

日本国内の過度の無用な綱引きは、これまでILCの日本誘致に尽力されてこられた方々の本意とするところではなく、あくまで科学的な根拠に基づいた決定をされるべきであります。

しかし、決定するのはあくまで「人」ですから、判断材料をこちらも悔いのなきよう多角的にアピールできる材料を揃える努力を怠りなく進めていかねばなりません。

今回セルンを視察して認識を新たにしたことは、
背伸びをして我々の能力を越えたものを考える必要はないということ。

これまで紹介してきたようにセルンの周辺は豊かな自然に恵まれ、ブドウ畑あり、酪農地帯あり、従前より営まれた農業と農村が健在しています。

岩手県は農業県であり、食糧供給基地としての誇りを持続し、さらにILCに実現で付加価値を増す施策も視野に入れるべきです。豊富な食材は世界からきた科学者を絶対に満足させてくれるでしょうし、そのレピュテーションが価値を上げてくれます。

続く
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2012年11月17日

LHCとILC

LHCはヒッグス粒子、ダークマターなどの「新粒子の発見」が得意分野なのに対し、ILCは新粒子の性質をくわしく調べることによる「新しい法則の発見」が得意分野だといえます。LHCILCが研究の両輪となることで、新しい物理の扉が開くと期待されています。
(Newton 別冊 ヒッグス粒子 素粒子の世界 号から引用)


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今回、セルンを視察してLHCを核にこれからも続くセルン研究所の意義とILCの役割を実感することができました。確かにILCは次世代加速器ではあるが、LHCの上位にあるものではない。いわば研究の目的対象が異なるということ。

また、セルンでは50有余年の歴史の中で多くの加速器を有しておりLHCにおいても世界から出資された複数のプロジェクトが進行中です。セルンの歴史的な経緯を重く鑑みると、ILCを核とした国際科学研究所の規模はセルン規模の研究所がそのまま当てはまらない、あまり過大に考えてはいけない、のではないか。私個人の感覚的な印象ではセルンの50%規模の想定が適当ではないかと思われます。

多くの日本人研究者がセルンで活躍している姿を見て、素粒子物理学における我が国の位置を感じ取ることが出来、また誇らしく思いました。ILC計画は是非とも我が国で実現させたい、すべきであるとの思いを強くしました。

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セルン周辺を見て、自治体の役割も見えてきました。
セルン周辺の町は規模的にも私たちが住んでいる町と大差ありません。

今後、社会資本の整備等ハード的な課題解決は重要ですが、国際研究都市を創る下地を住民が織りなしていくこと(ソフト戦略)はもっと重要だということを痛感しました。
正しい住民への理解には地元自治体が住民と国際研究施設の間にしっかり入って情報の伝達等の役割を担うことも必要です。

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「我々はどこから来たのか?」この問いこそ究極の人類の研究課題です。
その課題を開く装置
LHCILC大型加速器の両輪が未知の科学の扉を開けることが出来るのです。
その大いなる課題解決を調べる実験装置ILCが北上高地、私たちの住んでいるところに来る可能性が高まってきています。
我々は、この千載一隅のチャンスを逃がすことなく、出来うることを最大限成すことが求められています。

次回が最終リポートとなります。
posted by 飯沢ただし at 23:47| 岩手 ☔| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月16日

現地在住の日本人研究者との懇談会

標題の懇談会をKEKの現地駐在員の石川さんに設定して頂きました。

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左から1番目 永井 康一(ながい こういち)氏
  所属機関での正式役職名:筑波大学大学院数理物質科学研究科非常勤研究員
   専攻・研究分野の正式名称:素粒子実験
   
左から2番目 織田 勧(おだ すすむ)氏
  所属機関での正式役職名:九州大学理学研究院物理学部門助教
   専攻・研究分野の正式名称:素粒子実験学

   
左から3番目 田窪 洋介(たくぼ ようすけ)氏
  所属機関での正式役職名:高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所助教
   専攻・研究分野の正式名称:加速器を用いた素粒子実験

右から2番目 東城 順治(とうじょう じゅんじ)氏
  所属機関での正式役職名:九州大学理学研究院物理学部門准教授
   専攻・研究分野の正式名称:素粒子実験

右から1番目 中浜 優(なかはま ゆう)さん 
  所属機関での正式役職名:CERNフェロー
   専攻・研究分野の正式名称:高エネルギー物理学


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セルンに滞在し研究活動を長い方は6年以上になる方もおられます。ご自身の経験を通じてセルンに滞在しての印象や課題、ILCが日本に誘致された場合に国際科学研究都市立地における必要な要件、課題などについてお話を頂きました。

ひらめき ジュネーブは多くの国際機関が集結しているように、国際都市として歴史ある特別な都市。セルンという国際科学研究所がジュネーブ近郊に50年以上前からあるのも自然。

ひらめき 交通に関してはアクセスも良く、不便はない。トラムが出来てさらに便利になった。

ひらめき 滞在許可、住居等外国で必要な諸手続きはセルン内にサポートする部門があり、ワンストップで用が足せるので大変ありがたい。(普通であれば大使館などの公的機関を行ったり来たりしなければならない。)

ひらめき 滞在するうえで、特に家族連れの研究者は病院・学校のサービスは必要不可欠。こちらは医師の質も高い。看護師も英語で対応する。

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位置情報 病院にかかると結構高い。セルンの職員だと10%負担で済むが、保険料で8万円から10万円かかる。救急で飛び込みだと5万円ほど。

位置情報 インターナショナルスクールも授業料は安くはない。子供が環境に慣れない事例も少なくない(日本人に限らず)。

位置情報 研究者の配偶者も働ける場所があるとさらに良い。

位置情報 世界にダイレクトで行けるハブ空港があればさらに良い。(ジュネーブ空港は国際空港ではあるが、直接、欧州以外の大都市には行けない。)

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iモード セルンでも一部住民の実験が生活に影響が起きないかとの不安があった時もあったが(実験でビッグバンが起きてこの世がなくなるのでは?)近隣行政への情報伝達は丁寧に行っているようだ。公表前に事前に自治体に新実験をする場合は自治体に説明。

iモード セルンで勤務したという実績は、特にIT関係者などキャリアアップにかなり有効のようである。

iモード セルンは加盟国が出資をしている国際機関であるので、プロジェクトを切らせない努力をして常にしている。それが自前で技術を保つという好循環につながっている。

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かわいい 国際科学研究都市は日本でも事例が少ないので、そもそもここでは普通にある道路標識の英語表記などのサインは十分に配慮する必要がある。番地表記についてもマス目番地で慣れている国際表記導入を考慮すべき。

かわいい 国際研究所としての「売り」の部分が、ILCだけではインパクトが弱い。大型加速器を中心に据えた精密機器製造や医療関係の産業群を呼び込むには国の研究機関などとの連携が必要ではないか。

かわいい 地元住民に必要なのは
英語を話す努力もさることながら、例えば外国の研究者が英語で尋ねてきたときに嫌な顔をしない。コミニュケーションを恐れない。

かわいい 自分たちの町がすばらしい街になるのだという住民の誇りが、すべてをいい方向に導くのでないか。


沢山のすばらしいご意見を頂戴しました。研究者のみなさんには貴重な時間を割いて参加をして頂きあらためて感謝申し上げます。最初は九大関係者の方もいらっしゃり、是非ILCは東北にと強く出れませんたが、忌憚のないご意見はグランドデザインの広報の裏付けとして有効に使わせていただきます。  
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2012年11月13日

セルン周辺の環境はいかに?その2

次なるセルンの近隣自治体はフランス側の2つの町。

この2つの町はセルンに近いだけあって、セルンの宿泊施設でまかない切れない時は、優先的な受け入れ先となる等、セルンと密接な関係にあります。

まず St.Genis(サンジェニ) セルンからすぐ近くのフランスの町です。
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とても落ち着いた、いかにもフランスの田舎の農村といった感じ。日本人の研究者も多く滞在しています。町の中心部ですがとてもこじんまり。大東町の猿沢地区くらいの感じ。
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町の市役所のインフォメーションではセルンのパンフレットも置いてあり、セルンとの関わりを意識しているようでした。
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道路も特別広くもありません。日本の県道と同じ片側1車線。
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街の郊外にALICEというLHCの実験プロジェクトがあります。ここの地下100メートルに巨大な検出装置があるのです。
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中に入れば、壁画を見てあぁそうなのかと納得しますが、施設の敷地規模は、こちらでいう誘致企業並みの敷地面積。入口はとても地味です。
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そして、そのまま体を回れ右をすると周辺はすぐに住宅地。ALICEが特別な施設でないことが伺えます。
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次はセルンから見て北東部にある Ferney-Voltaire(フェルネイ ヴォルテール)
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サンジェニと比して町の機能がほぼ備わっており、フランスのスーパーのチェーン店や中華料理店もありました。規模は大東町の大原地区のような感じでしょうか。
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フランスの有名な18世紀の啓蒙思想家ヴォルテールが滞在したことのある町にちなんでヴォルテールという名が付いています。町の中心部にヴォルテールの像があります。
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清潔で魅力的な町で、役所も歴史ある庁舎を外装の半分と内装を改造してありました。
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古い町並みだけでなく郊外には新しい住宅地も広がっています。住むのには環境がとても良さそうです。日本人のセルン関係者も沢山滞在しています。
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こんな小さな町ですが、さすがに国境地帯の所以でしょうか、インターナショナルスクールがありました。
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このフランスの2つの町を訪問して感じたことはセルンを特段意識した、背伸びをした環境整備を行っていないこと。

周辺には農耕地あり、歴史ある町並あり、住宅あり。どこの町とも変わりない昔からの生活の営みが感じられます。私自身、来る前は自治体の環境整備はどうか・・・と意気込んでいましたが、ある意味ほっと安心感を得られました。
posted by 飯沢ただし at 23:54| 岩手 ☔| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月12日

セルン周辺の環境はいかに?その1

今回の視察の第二の目的はセルン周辺自治体の様子を自分の目で確かめること。

国際科学研究都市の形成に不可欠なのは地元自治体の協力体制、環境整備です。
実際にセルン周辺の3つの自治体を調査し、その実態を肌で感じ地元自治体で何が必要かを探りました。

一回目はスイスのMEYRIN(メイラン)地区。
畑の中にポッカリと新興住宅街が形成された自治体です。
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メイラン地区はスイス側でセルンに最も近くに隣接しており、近代的な雰囲気を感じさせる街。
日本で言うと雇用促進住宅が沢山あるような感じでしょうか。

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住宅街にあるゴミ捨て場。

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バス停留所。ゾーン毎に料金が設定されています。

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市役所近くの市中心部にあるショッピングモール。図書館や劇場ホールも近くにあります。

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市民の厚生施設であるスポーツセンターも充実しています。

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国際研究所の存在を支えるという観点では、公的に必要な施設は備えている自治体です。
国際都市ジュネーブのベッドタウン的な立地条件でもあり、セルンとジュネーブの中間に位置していることは両方のニーズに対応している印象でした。

ILC周辺においても、このような集合住宅を集中させ、新住民に必要な公的サービスを効率的に提供できるコンパクトな街を整備することは、広大なエリアの中での一角は必要でありましょう。しかし、研究者の住宅環境に対するニーズは多様であるので人工的な街の形成がすべてではないということも考慮すべきです。
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2012年11月11日

ATLAS実験装置

4つの大型プロジェクトのうちATLAS実験装置はLHC最大の実験装置です。
複数の検出器を備えており、衝突した素粒子の反応を詳しく調べます。

日本はこの実験装置の開発に大きく貢献しており、また、KEKや東大など15の研究機関から多くの日本人研究者が参加しています。ATLASはCERNの敷地内にあり、コントロールセンターの外壁にはATLASの立派な壁画が描かれていました。

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37ヶ国から約2、900人の研究者(うち学生が1、000人)が参加をしています。(2009年現在)

陽子どうしの衝突は1秒間に1億回起こり、反応が好ましいものを1、000個まで瞬時に選別します。
反応が普通でないものを検出することが、未知の粒子の発見に結びつきます。
「不美人コンテストをやっているようなもの」と近藤先生。

その大きな成果が
2012年7月4日、ATLASとCMSの両装置でヒッグス粒子とみられる粒子を観測したとされるものです。
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それにしても、ミューオントリガー検出器や超伝導ソレノイドなど日本による建設担当部分がいかに精巧で技術的に優れているのかを痛感させられました。

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CERNで行われているLHCに関わる超巨大スケールの国際協働プロジェクトが、次世代加速器ILC計画に発展していくのです。
posted by 飯沢ただし at 23:42| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月10日

加速器の主要素:超伝導電磁石

LHCの主要素、超伝導磁石の説明をSM18という視察スポットで近藤名誉教授から受けました。

SM18は本来はメンテ用の工房施設ですが、そのエリアの一部を視察者用に開放しています。

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このような超伝導電磁石をLHCでは円形に1232台をつなげています。

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超伝導電磁石の中の様子。1234台のユニットは1台づつ手作業で溶接と組み立てが行われます。

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超伝導は画期的な発見で、
金属を冷やしていくと(−260℃)抵抗が突然ゼロになる。⇒ 大電流を流すことができる。⇒ 強い磁場を作ることができる。⇒ 高いエネルギーの加速器
(近藤教授のレジュメより)

超伝導の技術をフル活用して最新鋭の加速器が、今ここに存在するわけです。

近藤先生の右手と私の左手が触っている部分がビームパイプで、パイプの中を陽子ビームが一方は時計まわり、もう一方は反時計まわりに周回します。強力な電磁石によって進行方向を曲げ、何度も陽子を周回させます。

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LHCの建設には日本の企業も大きく貢献をしていて

古河電気工業が超伝導ケーブル
新日本製鉄が双極電磁石の特殊ステンレス材
東芝が収束用超伝導四極電磁石 など
大企業だけでなく、
カネカという企業も電磁石用ポリイミド絶縁テープで高い技術力を評価されています。

日本の会社は技術力もさることながら@納期を必ず守る。A仕切り価格を後で吊り上げることをしない。(日本以外の会社はそうではないということ?)
日本企業群の高邁な企業理念も評価されてるとのことでした。

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1995年に与謝野馨代議士が文部大臣時代にCERN理事会に出席して、非加盟国でありながらLHCの建設を表明したことで日本企業の参入が許されたと伺いました。

与謝野氏の決断と行動はILC計画にも継続して活かされています。
posted by 飯沢ただし at 00:40| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月09日

CERNコントロールセンター

セルン研究所は50年以上の歴史を誇る研究所ですが、1959年にはすでに28Gev(ギガ電子ボルト)の陽子シンクトロンという加速器を完成しています。
1976年には450GeVの大型陽子加速器(SPS)を完成させ、より精度と品質の高い研究を求めてLHC(大型ハドロンコアイダー)の建設にまでに至ります。
LHCは2010年に3.5+3.5=7TeV(テラ電子ボルト=7兆電子ボルト)の陽子・陽子の衝突実験を開始するに至るまでに性能を上げてきました。
これまで建設された多くの加速器は現在も使用されており、LHCへの入射ビーム(陽子や鉛核イオン)をつくっています。

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LHCは環状の加速器で地下100メートルに掘られた、1周27キロメートルのトンネルの中に設置されています。そして、現在LHCにおいては複数の実験プロジェクトが動いており、
1)ATLAS
2)CMS
3)LHCb
4)ALICE
の4つが大きな実験施設(測定器)になります。

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LHCをはじめCERNの加速器の稼働をコントロール(管理)しているのがCERNコントロールセンター。
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このコントロールセンターは平屋1階にあり、窓から外の景色を楽しむことが出来ます。
ここを見た瞬間に六ヶ所村の再処理施設のコントロールセンターを思い出しましたが、六ヶ所村はいかにもいかにもの密室の部屋ですが、CERNの開放的な雰囲気に驚きを禁じえませんでした。

LHCの運転状況はコンピューター画面で共有され、ネットでどこでも確認することができます。
下の画面の状況は順調に衝突の実験がなされていることを示しています。

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時間経過とともにビームの数が減ってくると、衝突効率が悪くなるのでいったん入射を止めて、ビームを入れ直します。
24時間体制でビームの入射を繰り返します。入射するエネルギーを高めれば陽子と陽子の衝突の衝撃度も高まるのですが、LHCが本来放てるエネルギーは14TeV(14兆電子ボルト)あるのですが、現在は8TeVに留保しているとのこと。また、こちらの冬は寒く電力不足になるので質力を落とすそうです。

ちなみに、ILCでは1TeV(1兆電子ボルト)で済むそうです。

ILCでは陽子ではなく電子を使用するため(陽子は重い)、LHCほどエネルギーが低くても十分なのだそうです。
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ちょっと気になったのはロッカーの上にある、シャンパンのボトルの数。
24時間体制なのでお疲れになったら、ちょっと一杯。ではなくて
ビームの周回に成功したとか、プロジェクトの実験に成功した場合に研究者で祝った時の空ビンだそうです。

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LHCは2013年から2014年にかけて14TeVを達成するために加速器をメンテナンスする予定になっています。
posted by 飯沢ただし at 21:06| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月06日

セルンからILCの立地条件を想像する

セルン研究所は何かしら特別な研究所のようにイメージしがちですが
一口で言い表すとすると「大学のキャンパス」
それも田舎にドーンと建設されたという感じ。セルンにおける研究内容が厚みを増す毎に、徐々に面積が拡張されたといった印象で、敷地内の緑地帯が少なく感じるのはそのせいだと思われます。



外部からセルンを見る。はるかに見えるビルはセルンの事務管理棟。周辺は見事なブドウ畑や放牧地帯
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収穫の終わったブドウ畑。ワインを試飲できるワイナリーも周辺に多数点在。
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のどかな牧畜田園風景がセルンのすぐ傍にある。
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研究所の内部は大学キャンパスにあるような研究棟が連立。
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内部は大学の研究室のよう
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昔に活躍して役目を終えた研究観測装置もオブジェとして屋外に展示されています。
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外部からの研究者やビジターのためのホテルも施設内にある。
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カフェテリアも大学のようなイメージ
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3ヶ所あるカフェテリアのうち夜も営業しているのは1か所。昼時間は込み合います。
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柿(Kaki)もありました。スペインからの輸入品。
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セルンを利用している人にワンストップで便宜(住宅・健康・学校)を図る機能も充実。
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女性の研究者も安心して働ける子供を預ける機能も備える。
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トラム一本で街とつながる。ジュネーブ市街地まで30分程度。個人車利用の方が多く、駐車場は不足気味。
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東北加速器協議会が示したグランドデザインをセルンと重ね合わせると
セルンのメインキャンパスに相当する部分をILCでは100ha(セルンは80ha)を見込んでいます。
また、素粒子の衝突地点周辺のサテライトキャンパスに8ha程度。

衝突地点は北上高地の場合、JR一ノ関駅から約35kmにあることから、8haの場所は自ずから決まりますが(大東町興田地区のと大原地区の中間点あたりが予想される)、問題はメインキャンパスを平地でとなると交通のアクセス(飛行場・道路・鉄路)を総合的に考えなければなりません。将来を見越した大胆な科学研究エリアを創造したいものです。

セルンの外的環境から見ても研究者のための住宅環境についてはあまり気にしなくて良いとの判断をしました。逆に地域の特性をさらに活かす方法(農畜産物の開発や自然環境の整備)を考えることの方が重要と感じました。
posted by 飯沢ただし at 10:20| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月05日

CERN(セルン)の概要

CERN(セルン)のメインキャンパスは面積約80ha,東京ドーム17個分。
スイスとフランスの国境を跨いだ位置にあり
スイスのジュネーブ中心街から10km,ジュネーブ国際空港から5kmの位置にあります。

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研究所のエントランス(玄関口)にはCERN加盟国の国旗が掲揚されており、2011年で20ヶ国が運営資金を分担しています。年間予算は約1、000億円。(日本は加盟国にはなっていませんが、LHCの建設費協力を非加盟国の中では初めて表明し、その後も138億円の建設資金協力を行っています。)

今やヒッグス粒子の発見で有名になったCERN研究所ですが、歴史は50年以上もあり、1954年に欧州12カ国の国際的研究機関として設立されました。

CERNという名称は前身組織をフランス語名の略称を継続したもので、現英語名称では
European Organization for Nuclear Research
素粒子の基本法則や現象を加速器を用いて研究する研究所です。

そもそも第二次世界大戦後、欧州は戦場となり荒廃して有能な科学者が米国へ流出したことから、それを防ぐために欧州が協力して研究所の設立に至りました。

現在CERNの職員は 約2、500人
ユーザー(利用者)は世界71ヶ国から 約10、000人 に及びます。

CERN研究所の本来の研究目的ではなかったのですが、研究の大量の情報を送信する手段として、画期的ハイパーテキストシステム WWW(World Wide Web)が1990年にCERNで発明されました。

CERNでは15年という月日をかけてLHC加速器を建設し、現在運転中です。

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これらの内容をKEK(高エネルギー加速器研究機構)の近藤名誉教授とCERN外交部のVoss博士から直々に講義を受けました。(高度な物理学のお話も拝聴しましたが、ここでは割愛させて頂きます。例えば4つの力(相互作用) 強い力>電磁気力>弱い力>>>重力 等々)

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また、CERNではサマーストゥーデントプログラム(夏の学校)を実施していて、参加学生は6月から9月の間に参加学生はCERNに滞在して、CERNの特定の研究グループに所属して指導を受けながら、研究の補助をするほか、講義の受講やディスカッション等を通じ高エネルギー物理、粒子加速器、宇宙物理、データ処理に触れることができます。
posted by 飯沢ただし at 23:58| 岩手 ☁| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月03日

Mission 「ILC計画を肌で実感せよ!」

9月定例会が終了後、世界で有数の加速器を保有している国際研究所「CERN」を視察するため
10月26日〜11月1日まで単身渡欧してまいりました。

視察の目的はズバリ 
「ILC計画の北上高地実現をみすえて地域が何をすべきか」を肌で感じること。

今日からシリーズでCERN(セルン)研究所の様子や周辺自治体の環境をレポートしていきます。

ちょうどILC誘致を見据えた先端加速器科学・産業フォーラム10月24日に東京大で開かれ、「ヒッグス粒子」とみられる新粒子を発見したCERNのロルフ・ホイヤー所長が講演があったばかりで、地元紙でも大きく報道されたばかりでした。


入口を飾るグローブと呼ばれる科学展示場、万博で使用したものを譲り受けたそうです。
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コントロールセンター前で、ご教示を頂いたKEK近藤名誉教授と一緒に 
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事務管理棟の中の様子 吹き抜けのオープンスペースと壁絵
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KEKの近藤名誉教授をはじめ、お忙しい中、ご対応いただいた日本人の研究者の方々、すべての方々に感謝の念を述べつつレポートを書かせて頂きます。
posted by 飯沢ただし at 01:09| 岩手 ☔| Comment(0) | ILC 【東北から世界に発信!】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月02日

9月定例会が閉会

先月の25日に県議会が閉会しました。

私は間違ったことは素直に反省し、反省がなければ教訓は生まれないと確信します。
人間ですから間違いは必ずある。ただ、次に同じ間違いを起こさないことが大事です。
歴史を学ぶことは意義はそこにあると思います。


花泉案件は今議会も最後の最後まで当局と認識の違いは埋まってません。

当局は地域がベッドを欲しているから民間移管に向けて努力をした。1年で破綻したことは残念だが、やったことは間違いない。破綻をした責任は事業者にあるから、責めを負う必要はない。

との考え方をずっと押し通してきています。

議会が参考人招致をして、当局と認識の違いが出ても「反論する用意は出来ている」との知事発言は当局の姿勢を象徴しています。また、私は知事発言は担当職員に対して「議会の声など気にせず、とにかく当初の線で突き通せ」とのメッセージにも聞こえました。

花泉の民間移管は失敗をしたのです。

そして、この問題は今後の民間移管の在り方にも大きな影響を与えるのです。

だから、議会は真実を探り、当局に真の反省を求め、本当の報告書を出すことを要求しているのです。

都合の悪いことには蓋をして、権力をかさにして真実を闇に抛り去る、そんなことは許されません。
posted by 飯沢ただし at 23:58| 岩手 ☔| Comment(0) | My Diary  【ふつうの日記】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする